化学:元素が彩る暮らしと未来
セッションA ●オープニングセッション

元素科学への誘い“Chemistry is all around us”・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
理化学研究所フロンティア研究システム 玉尾 皓平

Chemistry is all around us !/新しいコンセプト「元素科学」
ケイ素の特性を活かした機能性物質の創製/普遍的な元素選択則の抽出と提案
元素科学国際研究センターの概要

セッションB ●暮らしと化学

招待講演 元素科学と高密度情報記録への応用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
松下電器産業株式会社 高尾 正敏

今なぜメモリか/記録方式、使用期間と安定性によるメモリの分類
高記録密度を実現したブレークスルー/相変化方式光メモリの話
相変化光記録材料の探索/新しい相安定光材料/さらなる材料の構造解析
さらなる高密度相変化光メモリを目指して/優れた保護誘電体の開発/結び

金属−酸素でつくる超伝導・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
京都大学化学研究所元素科学国際研究センター 高野 幹夫

はじめに/われわれはどんな研究をしているか/3d遷移金属酸化物
超伝導体とは/超伝導体としての特性/銅と酸素/結論

低温で溶けるガラス、光るガラス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
京都大学化学研究所 横尾 俊信

なぜ新しい低融点ガラスか/新しいガラスの設計指針
シロキサンガラスへの機能付与/酸塩基反応を用いた低融点ガラスの合成
おわりに

電気を通す有機分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
京都大学大学院理学研究科 齋藤 軍治

はじめに/低次元有機金属の展開/低次元金属から二次元金属への展開
超伝導とスピン液体状態の競合/微小刺激での迅速・巨大応答系の探索

電子を運ぶ分子を創る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
名古屋大学大学院理学研究科 山口 茂弘

有機エレクトロニクス
n型有機半導体に求められるもの―電子構造、個体構造の制御が鍵
典型元素を使った新しい分子設計/ n型有機半導体のもうひとつの分子設計
まとめ


セッションC ●一家に1 枚周期表

パネルディスカッション:周期表を楽しもう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62

毎日新聞科学環境部 元村有希子
理化学研究所フロンティア研究システム 玉尾 皓平
京都大学化学研究所 横尾 俊信
京都大学低温物質科学研究センター 寺嶋 孝仁
同志社女子大学薬学部 杉浦 幸雄
京都薬科大学薬学部 桜井 弘
松下電器産業 高尾 正敏

理科は好き?/周期表の楽しさを味わおう/「一家に1枚周期表」の楽しみ方
「一家に1枚周期表」の制作コンセプト/原子、元素って何だ?
なぜ周期性が生じるのか?/「一家に1枚周期表」の制作コンセプト…… 2
IT情報化社会とFTTH/携帯電話は最先端人工物の宝庫
遷移元素って何?−最強の磁石ネオマックスと超伝導が開く未来
永久磁石の開発と応用例/生活をかえるネオマックス
生体内の金属の働き−生体に不可欠な元素−/金属に依存する病気
元素の伝記−名前はどのようにしてつけられたか−
なぜ、新しい元素をつくりだすのか/新物質の創製は偶然から始まる?
「一家に1枚周期表」をどう楽しんだらよいか?
日々の生活と勉強に活かすように
子どものころから化学に触れるきっかけとしての周期表に
ハロゲン元素は生体にも多く存在している/過剰症より欠乏症のほうが恐い
周期表と周期律表、どっちが正しいか?

セッションD ●酵素と触媒

招待講演 生物機能を司る元素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90
名古屋大学物質科学国際研究センター 巽 和行

生きるために必要な金属元素/金属元素を支える硫黄
還元系金属酵素の発見と機能/窒素分子をアンモニアに変換するニトロゲナーゼ
ニトロゲナーゼの構造と活性中心/ニトロゲナーゼの活性中心をつくる
自然を知り、自然に学ぶ

元素を操り触媒を創る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・102
京都大学化学研究所 小澤 文幸

触媒とは/チーグラー・ナッタ触媒/遷移金属錯体触媒
軌道混成をかえて配位子の性質をかえる/機能性高分子材料合成への応用

元素を駆使して構造と機能を創る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・110
京都大学大学院工学研究科 檜山爲次郎

有機合成化学とは/C−C結合を切ってC−C結合をつくりなおす
C−Si結合をつくってC−C結合にかえる/C−B結合をつくってC−C結合にかえる
C−S結合をC−F結合にかえる/おわりに

基調講演 光触媒が活躍する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・118
神奈川科学技術アカデミー 藤嶋 昭

科学・技術の最終目的/身近で活躍し始めた光触媒
光触媒のメカニズム/光触媒反応の発見/水処理への実用化
酸化チタンコーティングの厚さ/中国での光触媒の応用例
光触媒の国際規格化に向けて/光触媒をめぐる動き

セッションE ●未来を拓く新物質

招待講演 水を分解する:水素エネルギー社会への鍵・・・・・・・・・・・・・・・130
九州大学先導物質化学研究所 成田 吉徳

なぜ、水素エネルギー社会か/水素エネルギー社会のキーワード:水と酸素
水素の相互変換/水の酸化分解の化学:水の分解を効率的に行うには何が重要か
光合成:ラン藻は35億年前に水素エネルギー社会の鍵を見つけていた
光合成反応の概要/酸素発生中心の反応の特長と推定構造
人工系によるマンガンを用いた水の酸化反応の解明
光合成酸素発生反応の解釈と将来への展望

ナノ粒子発光材料への期待・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146
京都大学化学研究所 金光 義彦

なぜナノ粒子科学か/光と生活/発光ダイオードの色は何で決まるか
物質のサイズと光/単一ナノ粒子の発光の明滅現象
半導体ナノ粒子への不純物ドーピングと光機能性
人工元素の創製へ向けて/おわりに

分子の集まり方が違うと……?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・152
京都大学化学研究所 佐藤 直樹

発光ダイオードへの有機薄膜の応用/有機発光素子と電子構造
フロンティア電子構造の測定
シロール誘電体の薄膜構造とフロンティア電子構造
リチウムフタロシアニン薄膜の多形と空状態電子構造/おわりに

軽い元素と重い元素はどう違う?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・161
京都大学化学研究所 時任 宣博

元素の周期表と有機化学/有機化学の多様性を生む原動力
高周期元素の二重結合化合物の合成法
高周期元素間二重結合の合成・単離/より優れた立体保護基の開発
ヒ素−ヒ素二重結合は合成できるか/重いアゾ化合物の構造
含高周期14族元素芳香族化合物/重い芳香族化合物のスペクトル比較
まとめ

ナノ磁石を創る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・175
名古屋工業大学大学院工学研究科 壬生 攻

ナノ磁性体の作製と新しい磁気構造の創製/磁性体とサイズ
ナノ磁性体と情報記録/磁性体研究の意義・面白さ
鉄の結晶構造と磁気構造/電子ビーム描画による磁性体のナノ加工
強磁性体の磁気構造を支配するエネルギー
ニッケル・鉄合金の楕円型ナノドットに発現する磁気渦構造
磁性細線ナノ接合における磁壁の閉じこめと磁気抵抗効果
クロムのナノ変調磁気構造(スピン密度波)の制御/まとめ

炭素クラスターC60 の外科手術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・184
京都大学化学研究所 小松 紘一

第3の炭素同素体/内包フラーレンの製造法/内包フラーレンの合成
穴をさらに拡大する/内包した水素分子は出し入れ可能
穴を閉じる/ H2@C60 の精製/分子手術法によるH2@C60合成のもつ意義

演者紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・197